こんにちは!にっちです~!
映画はブラックカルチャーを肌で感じ取れる教科書のようなもの!
見て楽しみながら追体験しましょう!ということで、下記の記事でジャンル分けさせもらいました
今回は『正統派系』②
ここだけは押さえておいて欲しいと個人的に思うジャンルで、人種差別と闘った偉大な先人たちの足跡をたどり、追体験できる作品です。
全ての基礎みたいなイメージです。
グローリー 明日への行進 / Selma(2014)
作品名 :グローリー 明日への行進 / Selma
監督 :エイヴァ・デュヴァーネイ
主演 : デヴィッド・オイェロウォ
概要 :
1965年、キング牧師とジョン・ルイスに先導された公民権運動家たちが、アフリカ系アメリカ人の選挙権を求め、アメリカ南部のアラバマ州セルマから州都モントゴメリーまで行ったセルマ行進を題材に作成された映画。
あらすじ :
アメリカの公民権運動を先導したキング牧師。1964年に公民権法が成立していたが、当時南部アラバマ州ではアフリカ系アメリカ人の選挙人登録への妨害、脅迫が続いてた。抗議のための非暴力を貫くデモ行進を行うが州警察による鎮圧により数ブロックで妨げられてしまう。血の日曜日事件としてニュース放送された映像により国内世論が動く。再び抗議の行進が計画されるが、、、
要チェックポイント :
1960年代のアメリカは、対外的には冷戦、ベトナム戦争、国内では反戦運動、公民権運動が巻き起こり、問題が噴出していた時代。
平和、人権、正義を求め多くの先人がそれぞれの場で戦いました。
中でも、キング牧師とマルコムXは大きな影響を与えました。
この映画では、キング牧師と虐げられてきた南部アフリカ系アメリカ人の住民たちの非暴力の戦いを追体験することができます。
アメリカでも子供たちの教育に見せるべきだ!なんて声も上がった作品です。
ちなみに公民権運動の母として有名なローザ・パークスさんのバスボイコット事件が起こったのもアラバマ州モントゴメリーです。
南北戦争の際に、南側のアメリカ連合国の首都はアラバマ州モンゴメリーに置かれました。南部連合軍の国会議事堂であるアラバマ州議事堂もモンゴメリーにあり、セルマ行進の終結地点でした。
この映画の監督の エイヴァ・デュヴァーネイ は「13th -憲法修正第13条-」の監督でもあります。この作品は下記でも紹介しています。
私はあなたの二グロではない / I Am Not Your Negro (2016)
作品名 :私はあなたの二グロではない / I Am Not Your Negro
監督 :ラウル・ペック
主演 :ドキュメンタリー映画
ナレーター :サミュエル・L・ジャクソン
概要 :
作家であり、公民権運動家であるジェイムズ・アーサー・ボールドウィン(James Arthur Baldwin)の未完成原稿『Remember This House』と彼が発してきた言葉、書き残した手紙などをもとに作成されたドキュメンタリー映画。
あらすじ :
1957年、フランスのパリで作家として活動していたボールドウィンは新聞に記載されていた写真を見て、故郷であるアメリカに帰ることを決める。
そこに写っていたのは、アメリカ南部シャーロットのハーディング大学高校に黒人としてはじめて入学する女子高生だった。15歳のドロシー・カウンスはたった一人で心ない大勢の白人たちに囲まれた罵倒され、唾を吐きかけられていた。
彼はアメリカに戻り、南部を回る。友人であるキング牧師、マルコムX、メドガー・エヴァースとの交流と死別。作家ボールドウィンの残した数々の言葉と活動の軌跡。
要チェックポイント :
60年近く前の出来事や映画などをボールドウィンの視点で解説していきます。
白人たちの都合の良い黒人に作られた数々の映画に対する批判、差別の根源にあるもの、アメリカ社会への問いかけ。
この作品を見ると、考えさせられるものがあります。感じ方や感じることは人により違うかと思いますすので、ぜひ一度見ていただきたい作品です。
キング牧師とマルコムXについても出てくるので、映画『マルコムX』『 グローリー 明日への行進 』の後に見ると理解がより深まるかと思います。
↓この写真が入学時のドロシー・カウンツさんの写真です。
2006年にドロシー・カウンツさんは知らない男性からメールを受け取ります。
そのメールによると彼は有名な写真の中に写っている一人であり、謝罪したいとあったそうです。
その後、二人は実際に会い昼食を共にします。謝罪を受けると彼女は「ずっと前にあなたを許しています。これからは子供たちと孫たちの世代のために何をするかです」と答えたそうです。
2人はそれから多くのスピーチやインタビューを行ったそうです。
↓これは2019年、写真から62年後にドロシー・カウンツさんが写真と同じ場所で子供たちに迎え入れられている時の映像です。
私は涙が止まりません。
子供たちに希望の光を感じます。
Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)運動に代表されるように、まだまだ差別や偏見、暴力は続いていますが、62年という月日を経て、同じ場に集まった子供たちは大きく変わりました。
これは、公民権運動など文字通り自分の命をかけた先駆者たちの行動と、それに続いた多くの市民の地道な活動の積み重ねの上にできた希望であると思います。
ちなみに話は飛びますが、このアメリカ南部シャーロットのハーディング大学高校ですが、卒業生にシンガーのアンソニー・ハミルトンがいます。
幸せのちから / The Pursuit of Happyness(2006)
作品名 : 幸せのちから / The Pursuit of Happyness
監督 :ガブリエレ・ムッチーノ
主演 :ウィル・スミス
概要 :
事業に失敗し幼い子供を抱えながらホームレスに落ちぶれてしまった実在する男性、クリス・ガードナーの半生を描いた自伝本が原作の映画。
原題はアメリカ独立宣言「The Pursuit of Happiness(幸福の追求)」からきている。
映画の題は 〇 Happiness ⇒×Happyness で表記を間違えているがこれはガードナーの息子の託児所の落書きにあるスペルミスがもとになっている。
あらすじ :
1981年のサンフランシスコに妻と息子と3人で暮らすクリス・ガードナーは医療機器のセールスマンをしており、必ず売れると信じた新型機械の仕入れに大金を使う。しかしその機械は全く売れず生活は厳しくなり妻のパートでぎりぎりの生活を送ることに。
ある日クリスの目の前にとまった真っ赤なフェラーリ。持ち主の仕事は株の仲買人。フェラーリが買えるお金があれば生活の問題も解決できると、株に興味を持ち仲買人を目指すことになるが、、、
要チェックポイント :
失敗に失敗を重ね、何をしても上手くいかない時ってありますよね。
そんな状態が続く映画です。ただ、主人公のガードナーは幼い息子がいました。
父親を知らずに育った自分のような境遇にはさせたくないと、岩盤に爪を立てるように踏ん張ります。
行く当てがなくなり、息子と2人で駅のトイレで一晩過ごすシーンは、もう、胸がいっぱいです。
この映画では主演のウィル・スミスと実際の息子ジェイデンが共演しており、アクション映画なんかに出ることが多いウィル・スミスの違った面が見れます。素の自分に近しい状態だったのではないかと思います。
この映画をあえて正統派系のジャンルに入れたのは、訳があります。
色々な映画に描かれる黒人家庭では、だいたい母子家庭でビックママ、こどもはグレがちみたいな設定が多いです。実際に多いのは間違いないと思いますが、中には状況がいかに悪くても、あきらめずに家族、子供のために頑張るお父さんもいることを実話ベースの映画で知ってもらえたらとの思いで入れさせて頂きました。
ちなみにこのガードナーさんですが、この後、仲買業者Gardner Rich & Coを設立し事業で大成功。アメリカでも有数の大企業に育ったそうです。
念願のフェラーリは、バスケの神、マイケル・ジョーダンが所有していたものを購入したそうです!!
正統派系の映画の紹介はここまでになります。
どんなブラックカルチャーの映画や音楽を聴くにしても、歴史的、文化的、時代的な背景を知っているとより深く楽しめると思います。
紹介した映画は、学びだけではなく映画としても楽しめる作品です。ぜひ見てもらえればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ではでは、ピース!!
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