こんにちは! にっちです!
自分はよくサブスクやレンタルDVDで映画やドラマを見るのですが時間を忘れて、次へ次へと見続けてしまいます
時間が溶けていく~
嫁にも『ずーっと見てるね、、、』 なんて言われて我に返る時があります。
この記事ではおすすめの洋画・海外ドラマの楽しみ方を紹介したいと思います。
個人的な意見でしょ!って言われてしまうかもですがかなり重要だと思っています
まず、コンビニに行きコーラとポテチを買って、、、、
嘘です。。あると充実しますが(笑)
結論
- 文化的な背景を知る
- 時代背景を知る
- 歴史的な背景を知る
この3つを知っておくと、100倍、映画やドラマを深く楽しめると思います。
GoogleHomeでTVで見るとか、ホームシアターでとかじゃなくて、なんか重い、、、
と思われてしまうかもしれませんが、お金もかからず、より深く作品を楽しめ、知識という自分の財産にもなります。
例えば、最近見て面白かったドラマを例に説明します。
「オレンジイズニューブラック」:現代アメリカ社会を映しだす受刑者
画像出典: https://www.netflix.com/jp/title/70242311
このドラマ「オレンジイズニューブラック(以下ONB)」は主人公のパイパー・チャップマン(白人女性で裕福)が当時付き合っていた彼女との関係から、若気の至りで麻薬取引に関わってしまい、10年後、男性のフィアンセがいる状態で突然起訴されて受刑者となり、様々なバックボーン(人種、犯罪歴、年齢)の受刑者との共同生活をしていく。。。という物語。
主人公を軸に群像劇で描かれていくのですが、個性豊かな受刑者の罪を犯すまでのストーリーが1話に1人づつ位のペースで描かれます。
文化的な背景を知る : アーミッシュのリアン
リアン・テイラー
いかにもジャンキーな感じのアンジーといつも2人でいる金髪の子なんですが、彼女はアーミッシュと言われている人たちの出生です。
このアーミッシュと言われている人たちは、アメリカに移民してきた当時の生活様式を現代もそのまま守ることを主義としており(どこまで受け入れるかの差はあるそうです)農耕や牧畜で自給自足生活を送っています。自動車にも乗らずに馬車で移動し、電機は水車や風車で発電したものを使う程度。
アメリカのオハイオ州、ペンシルベニア州、中西部カナダのオンタリオ州などに居住しており人口20万人以上!日本でいうと荒川区、台東区、熊谷市、西東京市位の人口です。
引用:グーグルマップ
アーミッシュの子供たちは16歳になると「ラムスプリンガ」に出ます。(所属のコミュニティーによってはないこともあるそうです)
これは親元を離れ、様々な掟や教義から解放される期間で、俗世(私たちの言う一般的な生活)での生活を成人する18歳まで続けます。そしてアーミッシュの生活に戻るか、アーミッシュとは絶縁し俗世で生きていくかを選ぶこととなります。
リアンは 「ラムスプリンガ」 からアーミッシュの生活に戻ろうとしたところで薬物関係で捕まってしまいます。
個人的にはアーミッシュ生活しか知らない10代の子がいきなり現代社会に出ると、楽しみは多いかもしれないけど、複雑な社会で生きていくことの難しさに直面するとこや、親と絶縁しないとならない事は悲しく感じてしまいます。
このようなバックボーン、背景を知っているとより深く感情移入できると思います。
時代背景を知る : レッド(レズニコフ)
レッド
食堂でみんなのご飯を作っているみんなの母レッド、刑務官の東欧出身の奥さんの通訳をするレッド、食品業社とグルになり色んな物を仕入れてムショのボスになるレッド。ロシアなまりの英語で怒ると怖いレッド。薬物中毒の若い子がいると娘のように暖かく更生できるように手助けするレッド。
数多い登場人物の中でも印象的で色んな面をもつ彼女。
シーズン5で若かりし頃のレッドの回想シーンがあります。
仕事は工場勤務で、付き合っている彼氏も同じ工場勤務。つまらない彼でどこにも遊びに連れて行ってくれないからと彼とのデートをやめて、同僚の女性に誘われたパーティーに参加します。
そこでは冷戦下のソ連では、禁じられている西側文化に溢れていました。
主催者はGパンの密売までしている始末。そんな主催者と恋仲になり密売も手伝うレッド。
しかし、仲間が次々捕まっていくと弱腰になる彼に激怒し愛想を尽かせたところで、工場勤務のつまらない彼が一緒にアメリカに脱出しようと誘ってきます。ユダヤ人なら移住可能だから、業者に手配すると。
つまらないと思っていた彼が以外にも一番行動的だったのです。命懸けの逃亡。
ソ連の一党独裁下では、ロックやジャズなどの西側諸国で人気の音楽や米ハリウッドの映画など大衆文化は禁止されており、海外のラジオ放送の傍受も禁止されていました。
それこそGパンなんか密売してたら捕まります。
ヒッピー弾圧は勢いを増すばかりで、1971年にはヒッピー集会で1000人を超えるヒッピーがKGB(旧ソ連の秘密警察)により逮捕されるという悲劇的事件が起こってしまった。「このトラウマで、彼らはヒッピーであるということをより怖れるようになった」というように、この悲劇が「ソビエトヒッピー」を過激でアンダーグランドなものにそしてインビジブルな存在に一層押しやっていった。
引用元 : https://heapsmag.com/soviet-hippies-cold-war-era-underground-culture-searching-for-freedom-risk-of-arrest-communism
ソ連のヒッピーは、例えば、精神病院に収容され、アイデンティティを剥奪されることで、「代価」を払った。「私が寝ている間に、連中は私の髪を切った。そして私を放免した」。リトアニアのヒッピーの1人はこう回想している。〈中略〉ソ連のヒッピーは数千人を超えることはなかったが、それでも、ソ連の権威主義の欠点と偽善を暴くのにかなり貢献した。何といってもソ連は、公式には集団主義を標榜しており、「世界平和評議会」を通じて世界平和を維持すると主張していた。その国が、ギターを弾くヨガ愛好家のグループに、看板通りに倫理的に振舞わなかったのであるから。
引用元 : https://jp.rbth.com/history/80189-soren-no-hippie-tachi
自由なき、制約だらけの国家の中で若者たちは警察の目を忍びながらレコードを聴いていた。
そんな時代のさなかに、ソ連からアメリカに渡った若かりしレッド。
アメリカに来てからも自分のお店にロシア系のマフィアと思しき方々をお招きし、ビジネスを語る姿も、若い頃の時代背景を知っているとより深く理解できるのではないでしょうか。
歴史的な背景を知る : アメリカの刑務所ビジネス
刑務所長 : ジョー・カプート
ツルっと禿げ頭の中年で「横乳」なんてふざけた名前のバンド活動に励む刑務所長。
予算がない中で結果を出そうと仕事に励んだり、元部下から#MeToo運動でSNS上で告発されたり、元上司と不倫関係になったりと忙しい彼ですが、刑務所の運営が公営から民間に代わり苦労します。
民間の運営なので利益を出さなければなりません。
受刑者のために動きたいカプート所長は利益追従との狭間で苦悩します。
全世界の服役中の受刑者の1/4がアメリカに居ます。
全世界の人口は76億人(2019年)、アメリカの人口は3.2億人 (2019年) なので、いかに偏りがあるかがわかります。
南北戦争が終わった1865年に奴隷制が「合衆国憲法修正13条」により廃止されました。
しかし、現代版の奴隷制ともいえる黒人を搾取するシステムは今も続いています。
それが刑務所ビジネスです。
刑務所には政府から補助金が出るほか、刑務所にいる受刑者はその立地する州の住民として数えられ議会などの代表権が増え、政治家の利権につながります。( ONB だとナタリーの旦那は地方議員?でしたね)
また、刑務所で働く安価な労働力( ONB でいうところの、パンティー工場)、地域での雇用の創出(ONBでも一度解雇されたりやめた職員も戻ってきました)や受刑者の使用する物品や食料を納品する地元企業(まさにレッドですね)などなど大きくお金が動くシステムになっています。
「合衆国憲法修正13条」 は奴隷的拘束の禁止を規定していますが、例外があります。
犯罪者は適用外となっている点です。
クリントンが大統領だった1994年~2001年にかけて全米で刑務所の数が増え、警察予算が急増、取り締まりが強化されました。
悪名高き「三振法(スリーストライクロー)」(※3度目の有罪判決を受けた場合、犯した罪の種類にかかわらず終身刑となる法律。野球の三振に因んでいる。)もこの時期に制定されました。
飲酒運転や麻薬使用も含まれてしまうため受刑者は増加し続けました。
さらに、白人黒人で麻薬の常習者の割合に差はないにも関わらず、黒人は狙い撃ちにされます。ブラック・ライヴス・マター (Black Lives Matter)ともつながりますが、この件は別の記事でも書いてみたいと思っています。
この刑務所ビジネスと構造的な黒人差別についてはNETFLIXの『13th -憲法修正第13条-』というドキュメンタリー映画が詳しく取り上げています。
現在、NETFLIX契約者以外にもYOUTUBEにて無料公開されていますので、時間のある時にぜひ見てもらえればと思います。
アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作品でもあります。
監視下の黒人の数は1850年代の奴隷の数よりも多いのです。
引用元 NETFLIX 13thー憲法修正第13条ー
まとめ
出演者のバックボーンなどをもとに
- 文化的な背景を知る
- 時代背景を知る
- 歴史的な背景を知る
を、説明してみました。
背景を知ると、作品をより深く見ることができるし、100倍楽しく見ることができますでしょ?
オレンジイズニューブラックは自分が今までに見てきた海外ドラマの中でもトップクラスに面白い作品でした。全シーズン一気に見ましたが見終わってしまった後にはロス状態。
リアン、レッド、カプート所長以外にも個性豊かな受刑者がたくさんでできます。(主人公のパイパーガン無視ですいません)
個人的に好きになったのは、メンドーサ(スパニッシュ母さん)、ニッキー(レッドに救われた子)、ペンサタッキー(入所理由からラストまで(涙))、プッセイ(ワイン作りは任せた)などなど書ききれません。
間違いなくおすすめできる作品なのでまだ見ていない方はぜひ見てみてください。
見終わってから知ったのですが、この作品は実話をもとに作られたそうです!!
パイパー・カーマンさんが自身の体験を綴った回顧録『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』が原作です。
ネタバレになるので書きませんがドラマと違った実話バージョンの展開がわかります。
気になったっ方はぜひ原作も読んでみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、ピース!!
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