NBAの選手の契約時によく出る「クラッチスポーツ」「CAA」とは?(実は超重要な役割!)

NBA

こんにちは!にっちです!

twitterでフォロワーさんが「CAA」「クラッチスポーツ」「リッチポール」って何?

と、つぶやいていて、確かに良くわからない!と思いブログを書き始めました(^^)

ちなみにフォロワーさんも、私も毎週楽しみにしている大好きなYouTubeチャンネル『NYK再建民プロジェクト』っていうニックスファンに向けた番組の視聴者さんです。

「クラッチスポーツ」「CAA」「リッチポール」って何のこと??

結論から言うと

アメリカのスポーツ・エージェンシースポーツ・エージェントのことです。

エージェンシーというのは代理業の意味で、エージェントというのは代理人の意味です。

つまり、スポーツ選手の代理人(リッチポール)、代理業をする会社(クラッチスポーツ、CAA)のことです。

簡単に説明すると、スポーツ選手やコーチと代理人契約を結んでお客さんであるアスリートの代わりにチームとの交渉事やあらゆる広報活動を行ってくれる企業のことです。

仕事内容はメインのチームとの交渉から、ドラフト準備、慈善活動のセッティング、メーカーとの契約、ブランド構築までなんでもござれれな感じです。

基本的に選手・コーチは本業の集中したい

選手やコーチは、ゲームのことや練習に集中して力を入れたいですよね。

場合によっては、税金関係の申告から投資まで幅広くお金の面の仕事をサポートしてくれます。

特にアメリカのスポーツ選手は契約金も高いですし、スポンサーの契約も莫大なお金が動きます。

NBAだと、高卒の選手(10代)が契約して大きなお金をもらうことも多いですし、サポートを受けれるのは安心できますよね。

選手は体育会系ごりごりというか、練習、練習で青春時代を突っ走ってることが多いでしょうから、契約について、財務的なことや契約交渉と言われても、アドバイスやサポートが欲しいですよね。

ちなみにスポーツエージェントは契約金や年俸の10%~20%を受け取るのが通常らしいです。
NBAは4%を超えてはいけないルールみたいです。

10%~20%ってかなり高額な報酬ですよね。。。

みんな大好き、AIRJORDANができたのもエージェントの仕事⁉

引用元 : youtube JORDAN より

NBAのバスケットボールの神といえばマイケル・ジョーダン。

ジョーダンのエージェントをしていたのは1990年代に活躍していたスポーツエージェントのデビッド・フォークです。

彼は他にも、パトリック・ユーイングやアレン・アイバーソンなど100人以上の選手と仕事を共にし、ジョーダンの選手生涯を通してエージェントを担いました。

1988年のロックアウト(賃金交渉の末、妥協点が見つからず経営者が所有している施設の出入りを禁止し働かせないこと)の際には、選手に分配されるリーグ収益の比率を5%引き上げるなど、選手との間だけでなく球界全体に対しても大きな影響力を持っていた彼。

1990年代、NBAのコミッショナーに次ぐ第二の権力者とまで言われる存在に。

1984年にクライアント(依頼人)のマイケル・ジョーダンとNIKE / ナイキとの間でスポンサー契約が結ばれました。

しかし、当時、スター選手といえばadidas / アディダスと契約をしておりナイキはマイナーなスポーツウェア会社の一つにすぎませんでした。

当初はジョーダンも乗り気ではなかったそうです。
それもそのはずで、ジョーダンはナイキの靴を履いたことも、見たこともなかったのです。

当時、バスケのようなチームスポーツでは、アフリカ系アメリカ人の選手を売り込むのは困難だと考えられていました。先見の明があったフォークはジョーダンを説得しナイキとの契約を合意にこぎ着けました。

その後のジョーダンの活躍と絶大な人気は、ナイキに爆発的な収益をもたらしました。

ジョーダンのシグニチャーモデル(特定の有名人の名前が付いた商品)「AirJordan / エア・ジョーダン」を知らない人はいないと思います。

何のこと?って思った人も、ロゴや靴の実物見ればわかるのではないかと思います。

有名なスポーツ・エージェンシー

CAA(Creative Artists Agency / クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー)

NBA選手の契約額では多分NO.1ではないかと思います。

カリフォルニア州ロサンゼルスが拠点です。

スポーツ選手だけでなく、俳優、女優、歌手、プロデューサー、監督などの芸能人も所属してます。
むしろ、始まりはハリウッドの映画業界のエージェントとして始まった感じですね。

CAAはアメリカのハリウッド4大エージェンシーのうち1つに入っています。

このCAAという会社は1989年9月にはソニーがハリウッドに進出する際にコロンビアピクチャーズの買収を成功させて日米貿易摩擦の大きなきっかけにもなった会社だそうです。

その後、1991年には松下電器産業(パナソニック)のユニバーサルピクチャーズの買収も手掛け、2009年には日本の吉本興業と業務提供しています。


なんということでしょう!CAAという会社は日本に住む我々にも関係していました!

全くの余談ですが昔、ダウンタウンの松本人志さんの『放送室』というラジオ番組内で海外の会社が日本のあらゆる番組にタレントを送り込んでる吉本興業っていう会社を買収できれば日本のTV業界を牛耳れるじゃないか!と、思って話し合いが始まったときに、タレントとの契約状況を確認したところ、契約書が一切無くて愕然として破談になったという話を聞いた覚えがあります。もしかしたら、その会社はCAAかもしれないですね。

CAA NBA選手のクライアント

選 手 名 所 属 チ ー ム 
ザイオン・ウィリアムソンニューオリンズ・ペリカンズ
カール・アンソニー・タウンズミネソタ・ティンバーウルブス
クリス・ポールフェニックス・サンズ
ジュリアス・ランドルニューヨーク・ニックス
デビン・ブッカー フェニックス・サンズ
ドノバン・ミッチェルユタ・ジャズ
ポール・ジョージロサンゼルス・クリッパーズ
ディアンジェロ・ラッセルミネソタ・ティンバーウルブス
コリン・セクストンクリーブランド・キャバリアーズ
ジャレン・ジャクソン・ジュニアメンフィス・グリズリーズ
ヨナス・ヴァランチュナス ニューオリンズ・ペリカンズ
オビ・トッピンニューヨーク・ニックス
コビー・ホワイトシカゴ・ブルズ
マルコム・ブログドンインディアナ・ペーサーズ
※2021年8月の所属チーム、クライアントです。入れ替わってたらごめんなさい

今年のプレイオフをアツくさせたこの2人もCAAです。

Klutch Sports Management / クラッチスポーツマネージメント(設立者:リッチ・ポール)

NBA選手の契約額では多分上位TOP3ではないかと思います。

本拠地はオハイオ州クリーブランド。

リッチ・ポールは2006年にレブロン・ジェームスとキャバリアーズとの間で延長交渉をしていたCAAのリオン・ローズの下で働き始めます。

2012年にポールはCAAを離れ、自身が設立したクラッチスポーツで働き始めます。もちろんレブロン・ジェームスの代理人として。

その後、現在、NO.1のスパースターの代理人としてクライアントを拡大しています。

他のNBAエージェントからは、レブロン・ジェームスがクラッチスポーツに選手を勧誘している、実質的に運営してるとの声も上がっています。

しかし、2017年にはNBAがレブロン・ジェームズとクラッチスポーツの関係を調査して、レブロン・ジェームズがオーナーであることを示す証拠は見つからなかった。

影響力の強さから、全米大学体育協会(NCAA)は学生アスリートの代理人には学士号が必要だとする新要件を加えようとしました。

これは、リッチポールが学士号を取得していないことから『リッチポール・ルール』と呼ばれ、批判を受けて撤回されました。


エージェント契約を結ぶとレブロン・ジェームズとチームメイトになりがちとの噂も良く聞きますよね。

クラッチスポーツ NBA選手のクライアント

選 手 名 所 属 チ ー ム 
レブロン・ジェームズロサンゼルス・レーカーズ
アンソニー・デイビスロサンゼルス・レーカーズ
ジョン・ウォールヒューストン・ロケッツ
ベン・シモンズフィラデルフィア・76ers
ドレイモント・グリーンゴールデンステイト・ウォーリアーズ
ザック・ラビーン シカゴ・ブルズ
ロンゾ・ボール シカゴ・ブルズ
トレイ・ヤングアトランタ・ホークス
エリック・ブレッドソーロサンゼルス・クリッパーズ
デジャンテ・マーレイ サンアントニオ・スパーズ
ゲーリー・トレントjrトロント・ラプターズ
ユースフ・ナーキッチポートランド・トレイルブレザーズ
ジョーダン・クラークソンユタ・ジャズ
テイレン・ホートン・タッカー ロサンゼルス・レーカーズ
マイルス・ブリッジス シャーロット・ホーネッツ
タイリース・マクシー フィラデルフィア76ers
※2021年8月の所属チーム、クライアントです。入れ替わってたらごめんなさい

現在、クラッチスポーツのバスケットボール部門はオマー・ウィルクス(トレイ・ヤングの代理人)が引き継ぎ、リッチ・ポールはCEOとして事業拡大に専念しているとのこと。


2020年にはミッチェル・ロビンソンがリッチ・ポールを解雇したり、かつて代理人を務めたリッチ・ポールをナーレンズ・ノエルが訴えたり、ニックスとの相性は悪そうです(笑)

最近だとベン・シモンズに合わせてタイリース・マクシーも巻きこまれるのではないかみたいな噂も出回ってますね。

その他の大手スポーツエージェンシー

それこそ沢山ありますが、大手のエージェンシーを少しご紹介。

エクセル・スポーツ・マネジメント / Excel Sports Management

マー君こと田中将大投手もメジャー入りの際に契約していたエクセルスポーツマネジメント。

契約額ではクラッチスポーツより多い会社です。

エクセル・スポーツ・マネジメント NBA選手のクライアント

※2021年8月の所属チーム、クライアントです。入れ替わってたらごめんなさい

選 手 名 所 属 チ ー ム 
クリス・ミドルトンミルウォーキー・バックス
ケンバ・ウォーカーニューヨーク・ニックス
ブレイク・グリフィンブルックリン・ネッツ
二コラ・ヨキッチデンバー・ナゲッツ
ケビン・ラブクリーブランド・キャバリアーズ
CJ・マッカラムポートランド・トレイルブレイザーズ
ブランドン・イングラムニューオリンズ・ペリカンズ
ジャマール・マーレイデンバー・ナゲッツ
ジョン・コリンズアトランタ・ホークス
ハリソン・バーンズサクラメント・キングス
リッキー・ルビオクリーブランド・キャバリアーズ
ケイド・カ二ングハムデトロイト・ピストンズ
ジェームズ・ワイズマンゴールデンステート・ウォリアーズ
タイラー・ヒーローマイアミ・ヒート
※2021年8月の所属チーム、クライアントです。入れ替わってたらごめんなさい

ワッサーマン / Wasserman

岩隈久志、ダルビッシュ有、前田健太など日本人選手の契約が多いです。NBAでも八村塁、渡邊雄太もワッサーマンで契約しています。

ロペス兄弟もいることで何か日本との縁を感じさせます。

選 手 名 所 属 チ ー ム 
ラッセル・ウェストブルックロサンゼルス・レーカーズ
クレイ・トンプソンゴールデンステイト・ウォリアーズ
ノーマン・パウエルポートランド・トレイルブレイザーズ
エバン・モーブリークリーブランド・キャバリアーズ
デアンドレ・ハンターアトランタ・ホークス
シェイ・ギルジアス・アレクサンダーオクラホマシティ・サンダー
ミッチェル・ロビンソンニューヨーク・ニックス
ルゲンツ・ドートオクラホマシティ・サンダー
渡邊 雄太トロント・ラプターズ
ボヤン・ボグダノビッチユタ・ジャズ
クリント・カペラアトランタ・ホークス
ドマンタス・サボニスインディアナ・ペイサーズ
ボグダン・ボグダノビッチアトランタ・ホークス
八村 塁ワシントン・ウィザーズ
アレックス・カルーソシカゴ・ブルズ
スティーブン・アダムスメンフィス・グリズリーズ
ブルック・ロペスミルウォーキー・バックス
ロビン・ロペスオーランド・マジック
※2021年8月の所属チーム、クライアントです。入れ替わってたらごめんなさい

スポーツ・エージェント、スポーツ・エージェンシーの仕事がよく分かる映画・ドラマ

いかがでしたでしょうか?

あまり分からなかった、影の存在「スポーツ・エージェント」がいかに重要な役割を果たし、影響力があるか、少しでも役立っていればうれしいです。

最後に、スポーツ・エージェント、スポーツ・エージェンシーの仕事が良く分かる作品を紹介して終わりたいと思います。

ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-

NETFLIXオリジナル映画です。この映画なんとiPhoneで撮影されています。

NBAのエージェントにフォーカスした映画です。

ロックアウト(賃金交渉の末、妥協点が見つからず経営者が所有している施設の出入りを禁止し働かせないこと)中の裏側が舞台のこの作品ですが、プレイシーンはほとんどありません。

主人公はエージェントで長引くロックアウトで試合、練習すらできない状態で収入面でも窮地に立たたされ、何とかロックアウトを終わらせるべく奮闘します。

映画としても、主人公の2手、3手先を読む動きに「なるほど!」と思うところが多く面白いです。

NBAファンとしては、途中、途中にインサートで入ってくるレジー・ジャクソン、カール・アンソニー・タウンズ、ドノバン・ミッチェルのインタビューがかなり興味深いです。

また、この映画はオーナー側(経営者)と選手側(労働者)の対比が強く描かれています。

現在は白人選手も黒人選手も、私たちアジア人選手も混合のチームが当たり前ですが、もともとは白人のみのチームで構成されていました。

そのため、1920年代からプロ最強のチームは黒人チームという状況が続きます。

NBAに黒人選手が初めて入団するのは1949年のNBA初のドラフトでセルティックスが1名、ニックスが2名の黒人選手を指名するまで、バスケットボールの誕生(1891年)から58年の時間が必要でした。

現代でも黒人オーナーのNBAチームって何チームあるのでしょうか?

人種差別問題とアメリカの歴史、文化は切っても切り離せないですね。

こんな歴史を知っていると、さらにこの映画を楽しめるかと思います。

ラストシーンにもある仕掛けがあります。

ザ・エージェント

トム・クルーズ主演で、レネー・ゼルウィガーの出世作になった映画。

やり手のスポーツエージェントのジェリー(トム・クルーズ)は、利益追従の会社に疑問を感じ、クライアント数を減らし価格を抑えて、選手を大切に扱う提案書を会社に提出。すると会社をクビになります。独立したものの、付いてきてくれたのは会計係のドロシー(レネー・ゼルウィガー)と落ち目のアメフト選手だけ。

しかも、その選手にとにかく大金を稼いで来いとせがまれます。ビジネスって難しい、、、

ボーラーズ / ballers

人気レスラーザ・ロック、改めドウェイン・ジョンソン主演のドラマ。

元アメリカンフットボール選手からエージェントへの挑戦を描きます。

ジェームス・ハーデンから着想得てるでしょ?って疑いたくなる髭の選手出てきます(笑)

ではでは、ピーズ!

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